教室に思いを馳せて

元中学校英語教師のブログです。

2016年の熊本地震に怯えていた私と,母の一言

私はマイ・ウクレレを持っています。

と言っても,全然上手ではありません。

今から7年前,ヤマハ教室でウクレレの先生をしていたという保護者の方がいて,女子職員3人と保護者5名でウクレレクラブを結成し弾き方を教えてもらっていたのです。

 

ウクレレは弦が4本しかないので,ギターに比べてコードを覚えやすくて,毎週土曜日に集まってはみんなで楽しく練習していました。

 

だんだん簡単な曲もいくつか弾けるようになって,教わり始めて半年でしたがみんなで文化祭に出場しようということに。

 

文化祭の前日の放課後,体育館に集まってステージで練習をしました。

そこへ一人の男性職員が通りかかり,保護者の一人が「先生,私たちが今から演奏するので聞いてもらってもいいですか?」とお願いしました。

 

文化祭で発表するのは,初心者にとってはやや難易度の高い曲でした。

細かいミスはいっぱいあったけど,半年間練習してきたのでなんとか形にはなっていました。

演奏が終わって,「感想を聞いてもいいですか?」と尋ねました。

 

その先生はとーっても真面目な先生で。

「うーん,そうですね。もう少しこうした方が・・・」と,本当にダメ出しを始めちゃったんです。

 

それが先生のご厚意であることは分かっていますが。

でも私たちのテンションはダダ下がり。

自分たちから演奏を聞いてくれ,感想を述べてくれとお願いしておきながら。

 

そう,私たちは褒めてもらいたかったんです。

というか内心,褒めてもらえると思っていた。

「うわぁ,とっても良かったですよ!よくここまで練習しましたね!」

とかなんとか言ってもらって,本番前に自信をつけたかったんです。

 

期待していた答えと相手の答えが違っていたとき,すごくガッカリしてしまいますよね。

 

相手が求めている言葉をかけるというのも,時には必要です。

 

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文化祭後,教えてくださっていた保護者の方が引っ越すことになり,ウクレレクラブは自然消滅…。

 

 

***

2016年4月,熊本地震が起きました。

私が住んでいる場所は熊本ではありませんが,そう離れているわけではないので何度も余震がありました。

 

当時私は娘を出産したばかり。

出産直後でただでさえメンタルが不安定な上に,いつ来るか分からない余震。

 

「もしお風呂に入っているときに地震がきたらどうやって逃げよう。」とか

「冷蔵庫を開けたときに地震がきて,下敷きになったらどうしよう。」とか

「ここにも大地震がきたら,まだ生まれたばかりの赤ん坊を連れて避難所に行けるのだろうか。」

とか,どんどん不安になってくる。

 

いつもは絶対に信じないのに「地震 予言」でネット検索しまくり怯えたりして。

 

そんな私を横目に,手伝いに来ていた私の母は

「あら,だぁいじょうぶよぉ。もう(地震は)来ない来ない!」

とあっけらかんとしていました。(たしかに,その後は大きな余震は来なかった。)

 

気休めに言っているのではなく,どうやら本心で言っているみたい。

その「大丈夫よぉ。」という言葉を聞きたくて,母が帰った後は何度も電話しました。

 

それがどれだけ私の心の支えになったことか。

 

もしも,母も同じように「どうしよう,どうしよう。」と不安がっていたら,私の地震への恐怖は倍増していたことでしょう。

 

そんな母に「ねえ,もしまた地震がきたらさぁ…」などど,心配ごとを口にすることもできなかったはずです。

 

どっしりかまえてくれている人がいるだけで,周りの人の安心感というものは違ってきます。

逆に,怯えてばかりの人が周りへの恐怖を助長することもあります。

 

母だって,全く地震が怖くなかったわけではありません。

でも,あまり怖がりすぎると何もできなくなります。

真偽も分からないようなネットの情報を,たやすく信じるようになってしまいます。

あのような異常事態では,恐怖心が正しい判断力を奪うということを身を持って知りました。

 

1月3日,また熊本で震度6弱地震が発生しました。

いつどこで,また地震が起こるか分かりません。

 

あんなに怖かったのは,私が地震について何も知らず,普段から防災対策を考えていなかったからというのもあります。

 

地震を正しく恐れよう。

その上で,毎日を大切に生きていきたいと思います。